※宍戸と跡部





赤い夕日の光は金。おまえの白い頬が金色に染まっていく。ああ。おまえにくちづけたい。音を立ててくちづけたい。おまえにくちづけたい、いますぐ。
「なんだよ」
おまえは伏せたまつげをそっと押し上げて俺を見る。瞳を縁取るまつげは金。瞳は深い深い青色で、(おまえとキスがしてえな)そのひとことはいつだって言えないまま終わる。
「・・・帰ろうぜ」
言い出すのはいつだって俺のほうだ。どうせならもっと長く、せっかくだからもっと深く、おまえとの時間を過ごせたならよかった。今は青い記憶の向こう、ただ金色に染まるだけで。









※慈朗と忍足





センチメンタルだ。そうセンチメンタル。こんな気分はセンチメンタル。



赤い夕日の光は金。君の白い頬が金色に染まる。君にくちづけたい。音を立ててくちづけたい。君にくちづけたい。いますぐ。
「なに?」
君は伏せたまつげをそっと押し上げておれを見る。まつげは金。瞳は黒。(君にキスがしたいな)そのひとことはいつも言えずに終わる。
「ううん、なんでも」
「そう」
ただそれだけで終わるおれらの時間。


「そろそろ帰る?」
言い出すのはいつもおれのほうだ。どうせならもっと長く、せっかくだからもっと深く、君との時間を過ごせばよかったのに。今は青い記憶の向こう、ただ金色に染まるだけで。














20090818