青く血管の浮き出た透き通るような白い肌、それと対比する赤いくちびる。冷たそうに見えるその手が思いのほか熱くておどろいたのを覚えている。奴の指が、その細さからは想像出来ないほどの強さで掴んだ腕が、焼け付くように熱くしびれて、俺はそこから動くことが出来なかった。「いかんといて」とささやいた奴を、どうしたら満たしてやれたのだろう。「こっちのセリフだ」とつぶやいた俺は、宇宙で一番無力だった。














20090731